【そもそも股関節って?】
通常、骨盤側のくぼみ(臼蓋)と太もも側の骨の末端(骨頭)がはまり込んでいてさらにそこは強力な関節包で包まれ、さらに臼蓋と骨頭が靭帯で繋がれている。
難しい言葉はさておき、とにかく通常では股関節が脱臼することは外部からの衝撃以外ほとんど無いらしい。
【変形性股関節症】の引き金って?
変形性股関節症って?ここからお話を始めないといけないんじゃない。
【変形性股関節症】
関節を滑らかに動かすために骨の表面を覆ってクッションの働きをしている「関節軟骨」が、何らかの理由によりすり減ってしまい、結果股関節に痛みが発生する症状をいう。
発生には以下の2パターンがあるヨ!
・一次生・・・ハッキリとした原因は分からずいつのまにか股関節の軟骨がすりへってしまい変形をおこしてしまう。(欧米人の男子に多いゴルファーのジャックニクラウスも)
・二次生・・・臼蓋形成不全や外傷による臼蓋のくぼみが不十分で浅いか骨頭の丸みが不十分で股関節に変形をもたらす。遺伝的要素や乳幼児時期の股関節脱臼も要因となる場合もある。アジア人に多く日本人の変形性股関節症の8割が二次生によると言われる。女性に多い。
【術後の脱臼1】
人工関節置換術をせっかくしたのに脱臼するって患者様も気持ちが萎えちゃいますよね。そこで術後の脱臼について調べてみました。
術後3ヶ月以内は脱臼のリスクが多い。
それは手術によって前述した関節包を取り除いた場合(全て取り除かない場合もあるが取り除くことが多い)股関節の強力なカバーを失った状態だからである。その関節包が自然に再生するのに3ヶ月程度掛かるからである。
この期間内の脱臼は100人中2〜3人だそうだ。
ゼロじゃないという事は気をつけた方が良いということですよね!
【術後の脱臼2】
どんな動きをすると脱臼が起こりやすいの?
実は術式によってそのリスクが違うんですね。。。知らなかった!
股関節の後方から切開する
「後方アプローチ」の場合
内股で深くしゃがみこんだり。横ずわり(股関節内旋屈曲)するのは良くない。股関節が後ろ側に脱臼することがある。
股関節の前方から切開する
「前方アプローチ」の場合
後ろ側に足を伸ばし、外側に向けた時に脱臼することがある。(股関節伸展外旋)
【リハビリ】(1日1時間程度行うが個人差もあり)
理学療法士さんや看護士さんの指示に従って
手術後3日後頃までに開始し約1ヶ月間実施する。術後すぐのリハビリに驚きますが足を動かさずにいると血栓が生じ2次的な障害をもたらすこともあるのです。
大まかなスケジュールです。以下
術後3日後くらいよりリハ開始→ストレッチやマッサージ、関節可動域を広げる運動から
2週間後くらいから体重をかけても関節が痛まないならば正しい姿勢で歩行訓練を行う。それを1〜2週間続けて計約1ヶ月
目標は階段の上り下りができるくらいに回復させること。
【まとめ】
今回紹介した情報はネット検索で上位に来たサイトを参考にしました。名入りの専門医の方々が説明されているので間違っていることは言ってないと思います。
でもその中でも先生によって運動制限の考え方や術式、人工関節の耐久性などの見解など少し違う所もありました。
トレーナーをしていると股関節に痛みを持つお客様は多いです。僕たちトレーナーはお客様に対し医療の範疇の進言はしてはいけないですが、今回紹介した知識ぐらいは持っていないといけないなっと思いました。ピラティスのレッスンに行かせることばかりです。
実際の患者様が目の前にいたら担当のお医者さんと密にコミュニケーションをとって不安を取り除いて欲しいです。知識不足から必要以上に怖く思えたり、ネガティブになったりしますから。
最後に長々と書きましたが
術後の股関節脱臼はそんな頻繁に起こるものじゃないので不安に思わなくて良いということ。
でも万が一の予防のため避けたい足の動かし方、日常できるトレーニング法の知識は知っていた方が良いということ。
この2点大事だと思います。 Tsuda
石川県の股関節の専門外来のある病院
今回の参考サイト「人工関節ライフ」